青年部主催の講演会

地球環境と人間教育

「地球環境と人間教育」

千葉喬三氏

総岡山青年部が主催する第1回青年文化講座が2012年6月2日、岡山文化会館で行われ、就実学園の千葉喬三理事長が「地球環境と人間教育」と題して講演した。

千葉氏は講演の中で、太古の昔から生命を育んできた地球環境にあって、人間も自然の一員であると強調。経済至上主義が生態系の破壊をもたらしている今、問われるのは人間の生き方や価値観である。青年が「何のために生きるのか」との目的観を深く追求し、共生の時代を築いてほしいと語った。

千葉喬三氏の講演より

千葉喬三氏の講演より

  環境問題は、人間社会の問題そのものである。そもそも、環境の定義は、「あるものを取り囲んでいる」という意味の外来語。つまり、主体(人間)と客体(環境)という対立の概念で成り立っている。しかし、今日、明らかになっているのは、〝環境は、人間と対立させて考えることはできない〟ということだ。

太陽と地球の距離、地球の大きさなど、絶妙の関係性によって水が存在できたので、生命は誕生した。かつて地球上では、6億年くらい雨が降っていたと言われている。液体が集まり、原始の海ができる。これが、地球という環境を作る最大の要因となった。雨がくぼみに流れる過程で、タンパク質など様々な成分が流れ込み、アミノ酸を生成した。羊水と海の成分はほとんど同じである。

現在、地球上には3,000万から5,000万種の生物が生存している。これまで4回ほど、すべての生物が絶滅するほどの危機を経てきた。生物が生きる要件は、食べるものと住む場所である。また、相互関係によって生存維持がなされている。例えばシマウマは、ライオンに食べてもらわなければ、生存維持ができない。これを敵対的共生という。

また、生物界は、次の三元システムで成り立っている。①生産者(無機物から有機物を生成) ②消費者(有機物を摂取して無機物を生成) ③分解者(死んだ有機物を摂取して、無機物を生成)

分業体制が機能しており、絶妙の相互関係といえる。しかし、人間の世界は、生産者と消費者の二元システムでしかない。

自然界のシステムは優れている。地球のエネルギーは太陽光。太陽光を取り入れて、有機物を生成させる。たとえば、シアノバクテリアは、およそ28億年前に光合成を行い、水から有機物を生成していた。植物は、炭酸ガスの形で取り込んで酸素だけを放出する。物質が動くとエントロピー(汚れ)が生じる。エントロピーを貯めない社会にしなくてはいけない。

主体と客体との対立概念では、限界がある。人間は、自然の支配者ではなく、生物的自然の一員に過ぎない。

青年の皆さんには、「何のために生きるのか」との目的観を追求してほしい。「自分の頭で考え納得する」癖をつけ、行動していっていただきたい。