2012年の環境提言

現実変革に向けた行動を生み出す教育枠組みを2015年から開始

第10段
現実変革に向けた行動を生み出す教育枠組みを2015年から開始

リーダーシップの発揮促す意識啓発

リオ+20に向けて第三に提案したいのは、一人一人が地域を足場に〝かけがえのない尊厳〟を大切にする担い手として行動できるよう、「エンパワーメント」から「リーダーシップの発揮」までの一貫した意識啓発を進めるための教育的枠組みの制定です。

具体的には、現在の「持続可能な開発のための教育の10年」(ESDの10年)を発展的に継承する形で、2015年からの「持続可能な地球社会のための教育プログラム」の開始を求める勧告を、国連総会に行うことを呼びかけたい。

振り返れば10年前、私は南アフリカ共和国のヨハネスブルクで行われた国連環境開発サミットに寄せて、ESDの10年の制定を提唱する中で、「現状を知り、学ぶ」「生き方を見直す」「行動に踏み出すためのエンパワーメント」の3段階を念頭に置いた、総合的な意識啓発を進めることの重要性を強調しました。

ESDの10年が2005年にスタートして以来、学校教育の場でも、NGOなどが進めてきた社会教育の場でも、「現状を知り、学ぶ」と「生き方を見直す」という面では、さまざまな工夫がなされ、意識啓発の方法の改善で歓迎すべき前進がみられました。

しかし、そこから「エンパワーメント」へ、さらにその先の「リーダーシップの発揮」へとつなぐ流れをつくりださずして、現実を変革する力を大きく生み出すことはできません。

ゆえにESDの10年の後継枠組みでは、特にこの部分のプロセスを重視し、生涯を通じて〝変革の主体者〟となり、〝周囲に希望の波動を広げる存在〟であり続けられる人々をどれだけ育てていくかに主眼を置くべきであると訴えたい。

SGIが地球憲章委員会と共同制作し、2002年の国連環境開発サミットでの展示以来、27カ国・地域で開催してきた「変革の種子――地球憲章と人間の可能性」展や、その内容を改定して2010年から行ってきた「希望の種子――持続可能性のビジョンと変革へのステップ」展が、何より心がけてきたのも、意識の啓発だけに終わらせず、「エンパワーメント」の触媒となり、「リーダーシップの発揮」を促す一つの契機になることでした。