2009年の核廃絶提言

師の宣言を胸に半世紀―― 変革の波を広げる活動に全力

第6段
師の宣言を胸に半世紀―― 変革の波を広げる活動に全力

対話や提言を重ね意識啓発も推進

この「原水爆禁止宣言」から半世紀――。

「いやしくも私の弟子であるならば、私のきょうの声明を継いで、全世界にこの意味を浸透させてもらいたい」との師子吼を、私は一日たりとも忘れることなく、その場で胸に焼き付けた直弟子として、核廃絶への潮流を高める挑戦を続けてきました。

師の逝去から2年後、創価学会の第3代会長に就任した60年に、師の写真を上着の内ポケットに納め、アメリカへの第一歩を印して以来、各国を訪問し、保有5カ国すべての指導者をはじめ、国連首脳や多くの識者と対話を重ね、核兵器や世界平和への課題について語り合ってきました。

また、国連で、78年、82年、88年と3回にわたり行われてきた軍縮特別総会にも、毎回、提言を寄せてきました。83年から毎年発表している「SGIの日」記念提言でも、核廃絶への提案を続けてきたのです。

さらに96年には、師の平和思想を原点に、世界の民衆のための平和研究のネットワークを広げる拠点として、戸田記念国際平和研究所を創設しました。主要プロジェクトの一つに核兵器廃絶を掲げ、国際会議の成果をまとめた研究書籍も発刊しています。

またSGIとしても、核兵器の脅威と非人道性をより多くの人々に伝え、意識啓発していく運動に一貫して取り組んできました。

核兵器の脅威は不断に存在し、人類に等しく降りかかる恐れがあるにもかかわらず、多くの人々にとって目に見えて現れないため、リアリティーを感じられないことが、脅威を無意識に看過させてしまっている。

私どもは、その“無意識の壁”を破ることが先決と考え、82年6月にスタートした「核兵器――現代世界の脅威」展を、国連の世界軍縮キャンペーンの一環として巡回したのをはじめ、さまざまな展示を企画し、保有国を含む多くの国々で開催してきました。とくに近年は、国連が呼びかける「軍縮・不拡散教育」を民衆レベルで推進する活動に力を入れてきました。

世界の被曝証言収めたDVDも

更に、「核兵器のない世界」を築くには、民衆自身が立ち上がり、その連帯を地球大に広げる以外にないとの信念に基づき、「アボリション2000」を支援して集めた1300万人の核廃絶署名を、98年10月に国連本部に提出しました。

そして、2006年8月の提言で私は「核兵器廃絶へ向けての世界の民衆の行動の10年」を提唱し、「原水爆禁止宣言」発表50周年にあたる2007年9月から、SGIで同10年の運動を立ち上げたのです。

現在、人間の安全保障の観点から核兵器の問題を考える「核兵器廃絶への挑戦と人間精神の変革」展を各地で開催し、また教育用ツールとして「平和への願いをこめて――広島・長崎 女性たちの被爆体験」と題する5言語版DVDの上映を進めています。今後の計画として、世界各地で放射能汚染や被曝に苦しむ人々の証言DVDの制作にも取り組みたいと思います。

こうして私どもは、師の「原水爆禁止宣言」を時代精神へと高めるべく、半世紀にわたり行動を続けてきました。今後も、民衆次元から核廃絶を目指す運動に、更に全力であたっていく決意です。