原水爆禁止宣言」発表から55周年 核兵器禁止条約の締結を" /> 「<a href="/proposals/sgi-2012/glossary/word16.html" rel="/proposals/sgi-2012/glossary/word16.html" style="text-decoration: underline; color: #444444; cursor: pointer;">原水爆禁止宣言</a>」発表から55周年 核兵器禁止条約の締結を | 提言を読む | 2012年のSGI提言 | 池田SGI会長の提言 | 創価学会青年部サイト SOKA YOUTH web

2012年のSGI提言

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第12段
原水爆禁止宣言」発表から55周年
核兵器禁止条約の締結を

軍事的必要性の論理を打ち破る

次に最後の柱として、核兵器の禁止と廃絶に向けての提案を行いたい。

昨年3月に起きた福島での原発事故は、ある面で、1950年代以降に核保有国が各地で繰り返し行った核実験による放射能汚染を想起させるものでした。

今年で発表55周年を迎える戸田第2代会長の「原水爆禁止宣言」は、まさしくそうした核開発競争が激化した当時の時代情勢を踏まえて打ち出された宣言だったのです。

戸田会長はその中で、「核あるいは原子爆弾の実験禁止運動が、今、世界に起こっているが、私はその奥に隠されているところの爪をもぎ取りたいと思う」(『戸田城聖全集第4巻』)と述べ、核実験の禁止はもとより、多くの民衆の犠牲の上で成り立つ安全保障から完全に脱却しない限り、問題の本質的な解決はありえないと訴えました。

以前から戸田会長は、どの国もどの民族も戦争の犠牲となることがあってはならないと「地球民族主義」を提唱し、民衆の連帯で戦争の根絶を目指すことを呼びかけていました。

そして逝去の前年(57年9月)に、その前途に立ちはだかる〝一凶〟として核兵器に焦点を定め、「原水爆禁止宣言」を通じて、核兵器の禁止と廃絶を目指す運動を若い世代が受け継ぎ、行動の先頭に立つことを念願したのです。

宣言が発表される3年前に起こった、アメリカの水爆実験によるビキニ環礁事件に象徴されるように、核兵器は攻撃に用いられなくても、開発の段階で人々や生態系に深刻な被害を及ぼすものでした。

また実験をとりやめても、抑止の手段として核兵器を保有すること自体が、〝多数の民衆や地球の生態系を犠牲にすることも厭わない〟との非道な思想に安全保障を立脚させていることの表明に他なりません。

つまり、そこには「軍事的必要性」の一点で全てを正当化しようとする思考がある。その究極の現れが、核兵器といってよい。

仏法では、戦争などを引き起こす貪・瞋・癡の煩悩の根にあるものを「元品の無明」といい、他者への蔑視や憎悪、生命への軽視もそこから生じると洞察します。この生命軽視の根本的な衝動を打破することなくして、たとえ核兵器が使用されなくても、民衆の犠牲を厭わぬ悲惨な戦争が繰り返される土壌がいつまでも残るに違いありません。

ここに、核兵器を〝必要悪〟として容認するのではなく、〝絶対悪〟として禁止し、廃絶する以外にないと訴えた「原水爆禁止宣言」を貫く最大の問題提起があったのです。

実際、「軍事的必要性」の観点は、核兵器の使用と威嚇の違法性について問われた96年の国際司法裁判所の勧告的意見でも、突き崩されることのなかった大きな壁でした。

つまり、国際人道法に一般的に違反するとしながらも、「国家の存立そのものが危険にさらされている自衛の極端な状況」においては違法にあたるかどうか確定的な決定を下すことができない、との見解が示されていたのです。

政策転換を求めるさまざまな動き

しかし、この法的な隙間をふさぎ、核兵器の非合法化の地平を開く合意を含んだ文書が、2010年の核拡散防止条約(NPT)の再検討会議において全会一致で採択されました。

「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことに深い懸念を表明し、すべての加盟国がいかなる時も、国際人道法を含め、適用可能な国際法を遵守する必要性を再確認する」(梅林宏道監修『イアブック「核軍縮・平和2011」』ピースデポ)として、〝どの国〟でも、〝どのような場合〟でも、国際法を遵守しなければならないとの合意がなされたのです。

私は3年前に発表した核廃絶提言で、2015年までに達成すべき目標の一つとして、核兵器の非合法化を求める世界の民衆の意思を結集し、「核兵器禁止条約(NWC)」の基礎となる国際規範を確立することを呼びかけました。

NPT再検討会議での合意はその突破口となるもので、明確な条約の形へと昇華させる挑戦を今こそ開始しなければなりません。

一般に、新しい国際規範は、次の3段階を経て確立するといわれます。

①既存の規範の限界が浮き彫りになり、新しい規範の必要性が主張される。

②その受容をはたらきかける中で同調の動きがみられ、勢いが加速するとカスケード現象(賛同国の雪崩的な拡大)が起こる。

③国際社会で広範に受容され、条約などの形で正式に制度化される。

この図式に照らせば、現在の段階は②の前半にあたり、カスケード現象が起こる手前に位置しているといえましょう。

私がなぜ、そう捉えるのか。それは、次のような世界の動きに基づきます。

一、市民社会のイニシアチブ(主導)で1997年にNWCのモデル案が作成され、2007年に改訂版が出されるなど、核兵器の禁止から廃絶にいたるまでに必要となる法的措置の検討が進んでいること。

一、96年以降、マレーシアなどを中心にNWCの交渉開始を求める決議が国連総会に毎年提出される中、昨年には、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イランを含む130カ国が賛成するまで支持が広がっていること。

一、国連の潘基文事務総長が、〝NWCあるいは相互に補強し合う別々の条約の枠組みによる核軍縮の推進〟を提唱する中、2010年のNPT再検討会議において全会一致で同提唱への留意が示されたこと。

一、159カ国が加盟する「列国議会同盟」が、潘事務総長の提案に、ロシア、イギリス、フランス、中国を含む全会一致で支持を表明し、5100以上の都市が加盟する「平和市長会議」がNWCの交渉開始を求めているほか、各国の首相・大統領経験者による「インターアクション・カウンシル(OBサミット)」もNWCの締結を呼びかけたこと。

一、2009年の国連安全保障理事会の首脳会合で「核兵器のない世界」に向けた条件を構築することを誓約する1887号決議が採択されたこと。そして、昨今の経済危機に伴う財政悪化で核保有国の間でも軍事支出の見直しが叫ばれ、核兵器に関する予算にも、その議論が及ぶようになってきていること。