青年の視点2012年のSGI提言

創価学会男子部長 橋元太郎

創価学会男子部長 橋元太郎

今年(2012年)の提言で池田先生は、日蓮大聖人が民衆救済のために執筆された立正安国論の視座から提言を進めておられる。

立正安国論の執筆当時、日本は「正嘉の大地震」などの災害が毎年のように続き、飢饉や疫病が蔓延し、民衆は悲嘆に暮れていた。この末法の時代にあって、多くの民衆が生きる気力をなくし、「当世は世みだれて民の力よわ(弱)し」(御書1595㌻)と、「一庶民になど何もできない」といった諦めの心に満ち溢れていた。また社会には閉塞感が漂い、自己の内面の静謐だけを保つことを促すような思想や風潮が広がっていた。

これまで何度も学んできた立正安国論であるが、東日本大震災を経た今、不況が長引き、政治不信も高まる中だけに、一層胸に響くものがある。

その打開の方途は何か。池田先生はここでも立正安国論の「対話」の精神に立ち返っておられる。すなわち、同作が権力者と仏法者による対話形式で構成されていることに触れた上で、その結論が、「“全ての人間に等しく備わる無限の可能性”を信じ抜くことの大切さ」であったと教えてくださっている。

対話の力にこそ、時代の閉塞感を打破していく方途があるという、大聖人の精神を、現代社会に蘇らせてくださっているといえよう。

確信に満ちた対話が、人の心を動かす。池田先生はそれを自ら実践されてもこられた。アメリカ実践哲学協会のマリノフ会長は、「(池田SGI)会長との対話は私を、今までに体験したことのない境地へと高めてくれました。自身のカラを打ち破り、全体人間としての知恵とエネルギーが内奥から湧き出てくるような感動を覚えたのです」と述べておられる。

私たちの周りにおいても、目の前の困難に打ちひしがれ「他人を幸せにすることなんてできない」、否、「他人のことなど構っていられない」と決め込み、内に閉じこもっているような人は決して少なくない。そうした人々に、人間に備わる無限の可能性を呼びかけ、共に歩み出すこと。そこに、社会に蔓延する閉塞感を打破する鍵があるものと確信する。