識者の声2013年のSGI提言

アレクサンダー・ハラン ノルウェー平和協会事務局長の声

アレクサンダー・ハラン氏の声ノルウェー平和協会事務局長

生きた仏教の平和思想に基づく明解な分析と啓発的アプローチ

1月26日は、国際的な平和運動家が心待ちにする日です。池田大作SGI会長の提言が、この日に発表されるからです。

提言で池田会長は、全ての大陸で広まる地球規模の運動と本質的に共通する平和政策を紹介するとともに、私が理解するところの「仏教の平和の伝統」を通して平和政策を説明されています。

池田会長は、生きた仏教のプリズムを通して、釈尊の生き方と思想を大変分かりやすく説明しています。提言を読む人々が、仏教の信仰や、仏教的な文化背景を持たなくとも、池田会長の平和問題に対する創造的かつ解決重視のアプローチは、全ての読者を鼓舞するものです。

今年の提言では、いくつかの時宜を得た具体的な平和政策が論じられており、私たち平和運動家も世界に呼び掛けなければならない政策ばかりです。

池田会長は、師の戸田城聖氏と同様に、「核兵器の非人道性」について明確な態度を示し、今年の提言でも、核兵器をめぐる問題の本質といえる「核兵器の非人道性」に焦点を合わせるべきであると主張されています。核兵器は、戦闘員と非戦闘員の区別なく一瞬にして命を奪い、生態系にも深刻な影響を及ぼすとともに、何よりも生命の尊厳への重大な冒瀆であると強調されていますが、私個人としても、このような池田会長の分析に、完全に賛同します。

現在、非人道性に基づいて核兵器を禁止しようとする新たな動きが広まりつつあり、この運動における池田会長の発言は大きな意義を持っています。

池田会長も提言で言及されていた「核兵器使用の人道的影響」に関するオスロでの国際会議は、大成功に終わりました(2013年3月4・5日に開催)。会議を主催したノルウェーの外務大臣は、「我々は、核兵器の問題に新たな枠組みをつくることができた」と述べ、会議を締めくくりました。

この会議は私たちが期待した以上の結果となり、メキシコが次回の会議を開催する考えを表明し、核兵器の非人道性について引き続き議論を深めていくことになりました。核兵器禁止条約に向けて活動する全ての人々にとって、いよいよ覆ることのない闘いが始まったことを認識する会議となったのです。

このオスロ会議を経て、以前の「核兵器禁止条約の実現は可能か」という問題より、むしろ「いつ、どのようにして実現するか」ということが焦点になったといえます。

また池田会長は、持続可能な未来のためには世界的な軍縮が不可欠である、との重要な呼び掛けをされています。持続可能な開発のための軍縮は、私どもノルウェー平和協会でも、大変に重要視しているテーマです。

2030年までに「世界全体の軍事費の半減」を目指し、さらにまた「核兵器の廃絶」を実現させるという池田会長のビジョンは、具体的には、全世界で1兆ドル近くの軍事費を持続可能な開発に充当させるという目標につながることを意味します。実に素晴らしい大望であると、私は思います。

最後に、これまで毎年、建設的な提言を世界に発信されてきた池田会長に心からの御礼を申し上げるとともに、SGIの皆さま方にも御礼を申し上げます。

今日の最大の挑戦的な課題に対する池田会長の明解な分析と解決重視のアプローチは、啓発的であり、称賛に値するものです。

アレクサンダー・ハラン氏のプロフィル

ノルウェー国内で20年以上にわたり平和活動に従事。1990年代後半から、EU(欧州連合)や国連における平和に関するさまざまな活動に対する分析を通じて、政策アドバイザーの経験を持つほか、平和調停や軍縮の相談役・顧問として携わってきた国は25カ国に及ぶ。

(聖教新聞2013年5月22日付掲載)