2014年のSGI提言

民衆の限りない力を結集し「平和と希望の世紀」を開拓!!

第1段
民衆の限りない力を結集し「平和と希望の世紀」を開拓!!

「SGI(創価学会インタナショナル)の日」を記念して、21世紀の潮流を希望と連帯と平和の方向に力強く向けながら、すべての人々が尊厳を輝かせて生きられる「持続可能な地球社会」を築くための方途を探りたいと思います。

脅威への抵抗力と回復力を高める

昨年は世界経済が緩やかな回復に向かい、軍事費も減少傾向が見られるなど明るい兆しもありましたが、一方で、紛争や内戦による人道危機は止まず、災害や異常気象による甚大な被害も相次ぎました。

特に深刻さを増しているのがシリアの情勢です。紛争が4年目に突入する中、230万人以上が他国への避難を、650万人が国内での避難生活を余儀なくされており、一日も早く停戦を図り、人道支援の環境を確保するとともに、和平への努力が強められることを願ってやみません。

また昨年11月には、過去最大級の猛烈な台風がフィリピンを襲い、6201人もの人々が亡くなり、避難した被災者は約409万人にのぼりました。

こうした人道危機に対して事態の悪化を食い止め、難民や被災者として厳しい環境下に置かれている人々の窮状を救うために、国際社会のさらなる支援が強く求められます。

また近年、災害や異常気象による被害が深刻化する状況を踏まえると、国際的な支援の強化のみならず、「いかに脅威に備えるか」「危機に直面した時にどう対応し、どう回復を図るのか」との観点に基づいた取り組みが急務であり、社会のレジリエンスを高める必要性が叫ばれるようになってきました。

レジリエンスは元来、物理学の分野で、外から力を加えられた物質が元の状態に戻ろうとする“弾性„を表す用語ですが、その働きを敷衍する形で、環境破壊や経済危機のような深刻な外的ショックに対して“社会を回復する力„の意味合いでも用いられるなど、さまざまな分野で注目を集めている概念です。

災害の分野においては、防災や減災のように「抵抗力」を強め、被害の拡大を抑えていく努力と併せて、甚大な被害に見舞われた場合でも、困難な状況を一つ一つ乗り越えながら、復興に向けて進む「回復力」を高めることを重視する考え方と言えましょう。 そのためには、耐震性の強化や劣化したインフラ(社会基盤)の整備などの政策面での対応もさることながら、「強力な社会的レジリエンスの存在するところには、必ず力強いコミュニティが存在する」(アンドリュー・ゾッリ/アン・マリー・ヒーリー『レジリエンス 復活力』須川綾子訳、ダイヤモンド社)と指摘されるように、人的側面への留意が欠かせません。

つまり、地域に住む人々のつながりや人間関係のネットワークのような、ソーシャル・キャピタルを日頃からどう育むかという点をはじめ、目には見えない〝地域と社会を根底で支える人々の意思と生命力〟こそが、重要な鍵を握るということです。

このレジリエンスの重要性は、私が現在、平和学者のケビン・クレメンツ博士と進めている対談の中でも話題になり、災害時における事後的な対応に限らず、国連が呼び掛ける「戦争の文化」から「平和の文化」への転換のように、社会の土壌そのものを変革していく上でも、大きな意義を有することを語り合いました(「平和の世紀へ 民衆の挑戦」、「潮」2014年1月号所収)。

そこでの議論を踏まえて提唱したいのは、レジリエンスの概念に内包される豊かな可能性を「脅威に備えて対応する力」の範疇にとどめず、より積極的に「希望の未来を開くために発揮すべき力」へと拡張し、人々が勇んで連なりたいと願い、確かな手応えを感じられる挑戦として位置づけていくことです。

つまり、脅威への対処だけでなく、未来の創出をも目的に据えて、それぞれの地域で誰もが関わることのできる「レジリエンスの強化」を通しながら、「持続可能な地球社会のかけがえのない基盤を築くこと」を人類の共同作業として進める挑戦です。