2014年のSGI提言

隣国との友好こそ世界平和の基盤  「日中韓の首脳会談」開催を

第13段
隣国との友好こそ世界平和の基盤  「日中韓の首脳会談」開催を

自治体間の交流で防災力を高め合う

この主張から1世紀以上がたちますが、ARFが「災害救援」の協力強化のために始めた実動演習を、牧口会長の言う「目的を利己主義にのみ置かずして、自己と共に他の生活をも保護し、増進せしめんとする」人道的な観点に立った軍事的競争の質的転換を各国に促す契機にしていくべきだと思うのです。

「災害救援」の協力を重ねる中で、互いの国に対する不信やわだかまりを解きほぐしながら、「復旧・復興」のプロセスにまで協力体制を継続させることを目指していく。そして、「事前の備え」としてのレジリエンスの強化については、地方自治体の姉妹交流を通じて、顔と顔が向き合う間柄での協力を、それぞれの国で根を下ろしたものにする取り組みを進めていってはどうでしょうか。

私はその取り組みを軌道に乗せる具体的な枠組みとして、ARFでの実績などをベースに「アジア復興レジリエンス協定」を締結することを提案したい。

そして、アジア地域での先行モデルを構築するために、日本と中国と韓国が、地方自治体の姉妹交流を機軸にしたレジリエンスの強化に積極的に取り組むことを提唱したいのです。

現在、日本と中国との間には354、日本と韓国の間には151、中国と韓国の間には149もの姉妹交流が結ばれています。99年からは、日中韓3カ国による「地方政府交流会議」も毎年行われ、交流の促進が図られてきました。

こうした基盤の上に、各自治体の青年が中心となって、防災や減災を含むレジリエンス強化のための交流を進め、「友好と信頼の絆」を堅固にしていく。そして自治体間の交流という点と点を結び、「行動の連帯」の線を国家の垣根を越えて幾重にも描きながら、「平和的共存」という面を地域全体に浮かび上がらせていく――。

隣国との友好を誠実に築く努力なくして、世界平和をどれだけ展望しても、画竜点睛を欠くことになってしまう。災害時に相身互いで支援をしてきたような精神こそ、隣国同士の関係の礎に据えるべきです。

アジアのみならず世界に新たな価値創造の息吹をもたらすこの挑戦に着手すべく、「日中韓の首脳会談」を開催し、昨年の提言で訴えた環境問題での協力も含めて対話を促進することを強く望むものです。

そして、来年3月に仙台で行われる「第3回国連防災世界会議」を契機に、どのような協力を具体的に進めるかについての協議を本格化させることを、呼び掛けたいと思います。