青年の視点2016年のSGI提言

温暖化防止の地域モデルを目指し「日中韓の環境誓約」制定を

第12段
温暖化防止の地域モデルを目指し「日中韓の環境誓約」制定を

世界195カ国がパリ協定に合意

続いて、第二の柱として環境と防災に関する提案を行いたい。

一つ目は、地球温暖化の要因である温室効果ガスの削減に関するものです。

昨年11月から12月にかけて行われた国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議で、温暖化防止の新たな合意となるパリ協定が採択されました。

世界の平均気温の上昇を産業革命以前の時代から「2度未満」に抑えなければ、深刻な事態を避けることはできないとの懸念が広がる中、先進国のみならず、195カ国が〝共通の枠組みの下での行動〟を約束したことは、大きな意義があるといえましょう。

目標達成の義務化は見送られたものの、各国がそれぞれ自主的に目標を定め、国内対策を実施することが義務付けられました。

温暖化の防止は容易ならざる課題ではありますが、世界のほとんどの国の参加を得たことをパリ協定の最大の強みとしながら、各国が人類益に基づく積極的な貢献を果たす流れを協力してつくり出すことが重要ではないでしょうか。

特に私は、異常気象による被害が相次いでいるアジア、なかんずく、世界の温室効果ガスの排出量の3割を占める、日本と中国と韓国の3カ国が連携し、意欲的な挑戦を先行して進めることを、提唱したいと思います。

昨年11月、3年半ぶりとなる日中韓首脳会談が、韓国のソウルで開催されました。

政治的な緊張を乗り越えての首脳会談の再開は、私も繰り返し訴えてきただけに、今回、首脳会談の定期開催を再確認したほか、日中韓の3カ国協力の完全回復が宣言されたことを、うれしく思っています。

この3カ国協力の端緒となり、中核となってきたのが環境分野での協力です。

「北東アジアは一つの環境共同体である」とは、3カ国の環境大臣会合で一致をみてきた認識であり、外交関係が悪化した時でも、環境協力をめぐる対話だけは毎年続けられてきた経緯があります。

私は昨年の提言で、そのさらなる発展を願い、日中韓による「持続可能なモデル地域協定」を提案したところでした。

大気汚染や黄砂といった、地域で焦点となっている課題とともに、温暖化防止のための地域協力を強めていくならば、パリ協定の目標達成に向けての重要な一つの足場となるに違いありません。

具体的には、省エネルギーの分野をはじめ、再生可能エネルギーや3R(廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化)の分野などで知識や経験を共有し、その相乗効果をもって3カ国が「低炭素社会」への移行をともに加速させていってはどうでしょうか。

今年は日本で首脳会談の開催のほか、青年たちが北東アジアの平和や環境について話し合う「日中韓ユース・サミット」の開催が予定されています。

そこで私は、パリ協定の目標となる2030年までの温暖化防止の協力に焦点を当てた「日中韓の環境誓約」の制定を、今年の首脳会談を機に目指していくことを呼び掛けたい。

また、日本でのユース・サミットの開催を大成功に導きながら、3カ国の青年たちが創造的なアイデアと活動の経験を共有するための仕組みを設けることや、若い世代の発案による意欲的な活動と環境協力のための青年交流の支援を、3カ国の共同事業として立ち上げることを提案したいと思います。