青年部と医学者による
第15回オンライン会議から

青年部代表

  • 志賀青年部長
  • 西方男子部長
  • 大串女子部長

医学者

  • 菖蒲川特任教授(新潟大学)
  • 藤原武男教授(東京医科歯科大学)
  • 庄司議長(創価青年医学者会議)
  • 勝又議長(創価女性医学者会議)
  • 村山議長(創価女性医学者会議)
テーマ01

医療崩壊を防ぐため
賢明な取り組みの徹底を

志賀青年部長

政府は、1都3県(埼玉・千葉・東京・神奈川)を対象とした緊急事態宣言の発出に当たり、「限定的、集中的に行うことが効果的」とし、飲食店の営業時間短縮などを柱とした対策を示しました。前回の緊急事態宣言との違いを踏まえつつ、今回のポイントを確認していきたいと思います。

菖蒲川特任教授

緊急事態宣言の目的は「医療崩壊」を防ぐためです。その上で、今回の宣言内容は、昨年4、5月の緊急事態宣言とは異なり、「限定的」「集中的」です。前回は新型コロナウイルスの影響が未知数だったこともあり、幅広い業種の休業や一斉休校、徹底した外出自粛などが要請されました。一方で今回は、これまでにクラスター(感染者集団)が発生した事例や傾向に基づき、対象を絞った対策が講じられました(下記の表を参照)。

「緊急事態宣言」における取り組み

とりわけ、対策の焦点となるのは「飲食の場」です。食事の際はマスクを外しますし、会食では近距離での会話を伴うので、どうしても感染リスクが高くなります。実際、クラスター事例の多くが飲食を伴う場で発生しています。これまでも政府の分科会は、感染リスクが高まる「5つの場面」――①飲酒を伴う懇親会等②大人数や長時間におよぶ飲食③マスクなしでの会話④狭い空間での共同生活⑤居場所の切り替わり――を挙げ、国民に注意喚起してきました。今回の緊急事態宣言では、感染抑止の鍵を握る「飲食の場」をさらに強調し、国民への理解と協力を呼び掛けています。

村山議長

病床や看護師などの医療資源が逼迫する地域では、救急患者を受け入れられないケースも出ています。このままでは、新型コロナにかかって重症化しても入院できなかったり、新型コロナ以外の、本来受けられるはずの医療が受けられなかったりする状況も懸念されます。

庄司議長

今の寒い時期、脳卒中や心筋梗塞などにも注意が必要です。寒暖差が大きいと急激に血圧が上昇し、こうした疾患が引き起こされやすい。外出や帰宅時をはじめ浴室の出入りの際などに特に留意してください。冬場は、のどの渇きを自覚しにくいため、水分も不足しがちです。水分摂取が少ないと血管が詰まりやすい。定期的に少しずつ水分を取るように心掛けてください。またアルコールの過剰摂取や、食べ過ぎにも要注意です。こういう時だからこそ、生活習慣を整え、免疫力を高めていきたいと思います。

テーマ02

「高齢者の命を守る」との
若者の一体感を今こそ

西方男子部長

直近の都内の新規感染者は20代、30代が全体の約5割を占めています。「コロナ慣れ」という言葉に象徴されるように、若者を中心に「感染しても軽症で済む」という認識が広がっているようにも見えます。今、必要なのは「皆で感染を抑止しよう」という「社会の一体感」であると感じます。

藤原武男教授

公衆衛生上の危機を克服するためには、政府と国民が一体となって行動変容を起こしていくことが極めて重要です。そこで必要なのは、一人一人の「納得」だと思います。

その上で今、最も強調したいのは「私たちの行動で高齢者の命を守る」という視点です。感染者の割合で見ると若者が多いのは事実ですが、人数で見ると、高齢者の陽性者数も急増している点は見逃せません。
高齢者は、若年者と比べて重症化のリスクが高く、陽性者数が増えれば、重症化する患者も増加します。それによって、医療機関の病床数が足りなくなり、救えるはずの命が救えなくなるのです。こうした「医療崩壊」が目前に迫っている状況です。

確かに若者の世代は感染しても症状がない場合が多い。だからこそ、自分は無症状感染者であり、気付かないうちに誰かにうつしてしまう可能性があることを理解する必要があります。その「誰か」が高齢者であったら……。自分の家族をはじめ大切な人の命を守るためにも、「想像力」と「共感力」を働かせて行動していきたいと思います。

庄司議長

一人一人が「納得」して感染防止対策に取り組むためには、今一度、「どのように感染が広がるのか」「なぜマスクをするのか」などの基本的な情報を共有することも大事です。

菖蒲川特任教授

新型コロナウイルスは、目安として発症の2、3日前から感染性(人にうつす可能性)があります。また、発症から8日を過ぎると感染性は大幅に低下するとの研究もありますし、潜伏期間は最大14日程度ともいわれています。いずれにしても、気付かないうちに他の人に感染させてしまうことがあるのです。さらに無症状のケースもあるため、知らないうちに感染が拡大してしまうのが新型コロナの特徴です。

感染原因の多くは、ウイルスが潜む唾液の飛沫(咳やくしゃみ、大声を出す時に出るしぶき)です。こうした飛沫感染を防ぐために「マスクの着用」が重要になります。冬場の乾燥した部屋ではエアロゾル(小さな飛沫)による感染が起きやすくなります。閉め切った部屋では小まめな換気と保湿が効果的です。
また、ドアノブやエレベーターのボタンなど、不特定の人が無意識に触れる箇所にウイルスが付着していて、それを触った手から口や鼻などの粘膜を通して感染する接触感染もあります。これを防ぐには、小まめな手指の消毒、手洗い、環境の消毒が重要です。

東京都の検査陽性率は約15%(8日現在)と極めて高い数値になっています。それだけ、感染リスクは身近に迫っていることを意味します。これまで以上に、基本的な対策を徹底していきたいと思います。

テーマ03

長期的な視点に立ち、
「できること」を前向きに

大串女子部長

再びの緊急事態宣言によって、不安を募らせる方もたくさんいます。だからこそ、お互いに励まし合いながら、前向きに生活していくことが重要だと感じています。

藤原武男教授

新型コロナウイルスの流行前から、現代は、先行きが見えない「不確実性の時代」と言われてきました。
こうした時代を生きるために不可欠なのは、むしろ「今」と向き合うことです。また、孤立しないことです。「人とのつながり」の大事さを、コロナ禍によって改めて気付かされたという方は多いのではないでしょうか。

この一年、皆さんは、新型コロナウイルスの感染拡大の状況がどうあれ、あらゆる手を尽くして、励まし合ってこられたと思います。今の社会において、こうした人のために尽くす「利他」の行動が、ますます必要です。
当然、「コロナさえなければ」と嘆きたくなることもあるでしょう。しかし、こういう時だからこそ、“同じ思いをしている方々を励ましていこう”と行動し始めた時、日々の生活に充実感が生まれてくると思います。

勝又議長

聖教新聞には、多くの学会員の皆さまが、“何としても元気になってもらいたい”との一心から、真心の手紙を投函したり、回覧ノートを作成して互いの近況を報告したりするなど、前向きに工夫を凝らして、生き生きと励ましを広げている様子が紹介されています。

藤原武男教授

「励ます側」の存在が、こうした危機に立ち向かうレジリエンス(困難を乗り越える力)になります。社会疫学の観点でも、豊かなつながりを多く持つ人や、生きがいや使命感を持っている人ほど、状況に左右されず、幸福感が強まることが、多くの研究で示されています。
その意味でも、創価学会の皆さんが日々、積み重ねておられる「励ましの力」「利他の行動」こそが、コロナ禍の社会の希望であると確信します。

志賀青年部長

長崎大学熱帯医学研究所の山本太郎教授が、聖教新聞のインタビューで、「収束までの道程をフルマラソンに例えれば、現在は『10キロ地点』付近を走っている」(1月11日付5面に全文を再掲)と指摘していたように、新型コロナとの闘いは、長期戦です。

私たち青年部は、この状況を冷静に受け止めながら、一人一人が「今だからこそできる」ことを見つけ、新しい挑戦を開始していきたいと思います。そして、感染拡大を一日でも早く収束できるよう、友人や知人、地域の方々に、これまで以上に「励まし」を広げながら、「感染症に負けない社会」の土台を築いていきたいと思います。