YOUTH コラム

「ONE PIECE」人気から見えるもの

「ONE PIECE」人気から見えるもの

漫画やアニメなど日本のポップカルチャーが、世界の多くの若者の心を捉えている。文化や言語の違いを超えて人気が広がっているのは、単なる「面白さ」を 超えた、普遍の「精神性」が作品にあるからなのか。

日本でメガヒットを記録し、海外でも話題を呼ぶ漫画「ONE PIECE(ワンピース)」も、その一つ。

財宝を探す冒険物語だが、その魅力は「仲間とともに」「仲間のために」戦う主人公らの姿にある。

彼らが戦っているのは、「仲間との関係を断ち切る悪意」であり、「仲間をつなぐ夢を壊す存在」であるとの指摘もある(安田雪著『ルフィの仲間力』アスコム)。

挿絵

「お宝」も大事。しかし、それ以上に重視されるのは、共に同じ目的へ進む「仲間」であり、「理想」ということだろう。

こうしたストーリーが支持される点に、物質的には一応の充足を得ながらも、他者との絆や信頼できる友人を求める人々の心が現れていると思う。

それは裏を返せば、現実社会で、真に心通う仲間を得るのが容易ではないということだ。

SNSの発達は目覚ましいが、顔と顔を突き合わせた人間の触れ合いは、むしろ減った。共同体が力を失い、個人の自由は増加したが、同時に孤立も進んでいる。

こうした状況を踏まえ、大阪府立大学の秋庭裕教授は言う。

 「人と人とをつなぐことができる。宗教のこの特質は今日、とても貴重なものなのです。日蓮仏法、SGI(創価学会インタナショナル)の魅力もそこにあります」と。

これは多くの学会員の実感でもある。

「学会活動で素晴らしいと感じることは?」との質問に対し、ベルギーの男子部員が語っていた。

「それは友情です。同志の存在です。SGIのおかげで、私たちはどんな苦難に直面したとしても、決して独りぼっちになることはありません。これこそ最高の希望であり、喜びだと感じています」

生涯の同志と一緒に、自他共の幸福の実現へ歩む。人間を分断する生命の魔性と戦い、「善の連帯」を広げていく――。 大いなる理想へ挑む広宣流布の運動こそ、地球社会を舞台にした未聞のドラマだ。(彦)

(「創価新報」2013年5月1日付<方位計>から転載)