YOUTH コラム

アメリカ元高官による核兵器不要論

アメリカ元高官による核兵器不要論

アメリカの元国務長官コリン・パウエル氏が、“核兵器は「極めてむごい兵器」であり「無用」”としたインタビュー記事が話題を呼んでいる(「朝日新聞」2013年7月10、11日付)。

同氏は、かつてインドとパキスタンが核の使用を検討しかねない状況になった際には、「もう1度、広島・長崎の写真を見てはどうか」と、自ら両国に自省を促したエピソードも紹介しながら、「(核兵器は)使用できない兵器」であることは為政者たちの共通理解であった、と述べている。

また、核兵器の存在理由としてしばしば指摘される戦争の「抑止力」の文脈でみても、“それを発揮するためには核兵器ではなく通常兵器で十分であり、核兵器が必要とされる理由にはならない”としている。

SGI(創価学会インタナショナル)が2013年の年頭に9カ国で実施した意識調査では、各国の核兵器の保有状況について、世界の青年の認識が弱いという事実が明らかになった。例えば、核保有9カ国のうち5カ国については、その国が保有国であるとの認識は全体で約2割程度にとどまっている。裏を返せば、核兵器を保有することはかつて国家にとっての1つのステータスであったと言われるが、もはやそうした意味合いは薄れてしまっていることを示唆している。

そうであるならば、核兵器の存在意義というものは一体どこにあるのか。開発や維持に投じている多額の資金を、他の分野に振り向ける方が、安全保障面でも、また福祉などの面においても有益なのではないか。今こそ、こうした当たり前の訴えを強めるとともに、「核抑止」という幻想を振り払い、正視眼で物事を見つめていく時が到来している。(英)